児童養護施設の制度と目的を詳しく解説
児童養護施設ってどんなところ?―制度の基本と目的
読了目安時間:6分
要点まとめ
- 児童養護施設は保護者がいない、または家庭で暮らせない子どもに対し、安定した生活環境と自立支援を提供する公的施設(児童福祉法第41条)。全国に約580か所、約3万人が暮らす。
- 対象と流れは概ね2~18歳で、児童相談所による一時保護→調査・判断→施設入所、退所後もアフターケアが提供される。
- 統計の特徴:在所児童数は約2.9万人、平均在所期間は4.6年、虐待経験者は約53.4%、障がいのある子どもは約23.4%。
- 課題と対応:家庭的養育の推進、専門ケア人材の強化、自立支援の充実、里親制度拡充、人材・財政面の改善が求められる。
目次
1. 制度の概要(定義・目的)
児童養護施設とは、保護者のいない子どもや虐待などで家庭で暮らせない子どもに対し、安定した生活環境や学習支援、生活指導を行い、心身の成長と自立を支援する施設です。法的根拠は児童福祉法第41条にあり、全国に約580か所、約3万人の子どもが暮らしています。
社会的養育は、保護者が適切に育てられない場合に公的責任で子どもを保護・養育する仕組みで、児童養護施設をはじめ乳児院や里親制度などが含まれます。
この制度の目的は、家庭で暮らせない子どもが安心・安全な環境で育ち、自立できるよう支援することです。退所後のアフターケアや子ども・家族への包括的支援も重要な役割です。
2. 対象となる子ども・入所・退所の流れ
対象は保護者不在・家庭復帰が難しい2~18歳の子どもで、半数以上が虐待経験者、約2割が何らかの障がいを抱えています。
入所の流れは、学校・病院・警察等からの通報により児童相談所が一時保護し、調査・話し合いのうえ家庭復帰が困難と判断されると施設入所が決定されます。
退所は家庭復帰が可能になった場合や18歳以上(最大20歳まで延長可)になった際に行われ、退所後も相談や生活支援などのアフターケアが提供されます。
3. 最新の統計データと動向
- 施設数:約610か所、定員:約3.4万人、在所児童数:約2.9万人(微減傾向)
- 平均在所期間:4.6年(約1割が10年以上)
- 虐待経験者の割合:53.4%
- 障がいのある子どもの割合:23.4%
- 里親委託数(令和6年4月):委託里親3,888世帯、委託児童4,709人(増加傾向)
4. 直面している課題/政策的対応
- 家庭的養育の推進:小規模グループケアやグループホームへの転換が進められている。
- 専門ケアの必要性:被虐待児・障がい児への心理的・特別支援専門職の強化が求められる。
- 自立支援の強化:退所後のアフターケアや進学・就職支援の充実が重要。
- 里親制度の拡充:特別養子縁組や里親要件の緩和・推進により家庭への移行を促す。
- 人材不足と財政課題:職員の処遇改善や財政支援の拡充が必要。
5. 主テーマとの関連性
児童養護施設や社会的養育は「すべての子どもが安心して育つ権利」を保障するセーフティネットです。家庭に恵まれない子どもが社会全体で支えられ、健やかに成長し、自立できるよう制度が進化しています。
近年は「施設から家庭へ」の理念に基づき、小規模化や里親制度の推進が進み、子どもの最善の利益(子どもの権利条約の理念)に沿った改革が行われています。
参照先
- 厚生労働省「社会的養護の施設等について」(参照元)
- 内閣府 子どもの家庭養育推進室「社会的養育の推進に向けて(令和6年4月)」(参照元)
- 厚生労働省「児童養護施設 運営ハンドブック」(参照元)
- 全国児童養護施設協議会「もっと知ってほしい児童養護施設」(参照元)
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